2020年 映画「クシナ」速水萌巴監督
< 2018年大阪アジアン映画祭ジャパンカッツ賞受賞 >
女だけの秘密の共同体の崩れていく日常と、試される母娘の愛を描く
女だけが暮らす男子禁制の山奥の集落を舞台に、監督自身の過去の体験に根ざした母と娘の物語を描いた本作は、大阪アジアン映画祭2018でジャパンカッツアワードを受賞。北米最大の日本映画祭であるジャパンカッツに招待され、独特の感性と映像美によって支えられる世界観は海外レビューでも高い評価を獲得した。
本作は、映画やCMの演出や制作に加え、中川龍太郎監督の『四月の永い夢』では主人公の部屋のデザインとその装飾を担当するなど、独特のキャリアを築いてきた速水萌巴監督の長編デビュー作。
本作では監督だけでなく、美術・衣装も担当し、美しい映像世界を構築した。
その瑞々しさで劇中の女性人類学者も魅了するヒロイン・奇稲<クシナ>には、撮影数日前に作品撮りの1枚の写真が奇跡的に監督の目に留まり、本作が映画デビューとなった郁美カデール。
14歳の時にクシナを生んだ28歳の母・鹿宮<カグウ>には、ラストの表情で監督を泣かせた個性派女優・廣田朋菜。男の後輩と共に閉ざされた共同体に足を踏み入れる人類学者・蒼子に、均等にバランスのとれた美しい顔が歪な世界に足を踏み入れる現代女性の象徴としてぴったりとキャスティングされた稲本弥生。村長である、カグウの母・鬼熊<オニクマ>には、強さと母性の両方を兼ね備える小野みゆきと、各世代のミューズが集結。
速水監督は、物語が自身と母親とのものに近すぎるという理由で2年前に1度は断った配給のオファーを、本年になって勇気を出して快諾。2年の時を経て、幻の映画が、今ベールを脱ぐ!
佐伯美波 藤原絵里 鏑木悠利 尾形美香 紅露綾 藤井正子 うみゆし 奥居元雅 田村幸太
監督・脚本・編集・衣装・美術:速水萌巴
撮影:村松良
照明:平野礼
録音:佐藤美潮
整音:大関奈緒
ヘアメイク:林美穂、緋田真美子
楽曲提供:hakobune
助監督:堀田彩未、佐近圭太郎、宮本佳奈
撮影助手:西岡徹、岩田拓磨
照明助手:森田亮
制作協力:村上玲、小出昌輝
協力プロデューサー:汐田海平
配給:アルミード
2018 / 日本 / カラー / 70 分 / アメリカンビスタ / stereo